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没個性と派閥 寺嶋真一さん 公務員 2001年04月21日 投稿
自民党の総裁選挙に関して、派閥、派閥、と派閥の動きばかりが報道される。まさにこの世は派閥政治である。それ以外の政治は、考えられないのか。派閥があるから他のことは問題にならないのか。他のことには格別問題がないので、派閥のことだけに関心が向くのか。金太郎飴のように、社会のどこを切っても同じ顔ばかりが出て来る。日本人には、個人の特質を捉えることが難しい。個人意見を棚上げにした上で、多数の賛同を得るという一種邪道な政治的競争には、やはり派閥制覇が最も効果的な手段なのであろう。こうした次元のどさくさに政治家としての一生を投ずるのは惜しいことではないか。個人主義がないということは、個人固有の考えを識別できないことであり、これは危険である。話の辻褄は、個人単位で拵えるものである。しかるに、当面の社会問題を取り仕切る個人が特定できないので、社会の矛盾を個人の矛盾として捉えることが難しい。つまり、矛盾を避ける方向転換が効かない。政界における、集団としての知的水準の低さはこれが根元になっている。根元を直視することなくして、有権者の欲する政治の改革はあり得ない。477 文字
新総理のこと 寺嶋真一さん 公務員 2001年04月27日 投稿
自民党の新総裁の小泉純一郎氏にとって、脱派閥は政治手段ですか、それとも政治目的ですか。郵政三事業民営化は彼の政治手段ですか、それとも政治目的ですか。彼は、わが国の将来にどのような夢を描いているのであろうか。何の夢もなく首相に選ばれるのであろうか。派閥あって党なしか、党あって国なしか、国あって未来なしのどの段階なのであろうか。ローマは1日にしてならず。大事業は短時日では成し遂げられないことを考えれば、彼の起こすこの国形成の為の大事業はどのようなものになるのであろうか。「兎角この世は無責任」と言った台詞は、改革の真っ只中にあっても無縁ではないようだ。276 文字
空港建設のこと 寺嶋真一さん 公務員 2001年04月25日 投稿
国土交通省の計画では、国内空港である羽田空港を拡張して将来国際空港としても使えるようにするのだそうである。それでは、現在の国際空港である成田空港との関係はどうなるのか。この国の空港政策には、マスタープランがない。大規模な空港建設さえ見切り発車で取り掛かる。国家建設にもこれといった計画は見当たらない。政治家は、ただただ現在の目標に向かって励むだけ。その後のことを議論するのは、無駄なことだそうである。あとは野となれ山となれ。だが、目先のことだけを話す人は信頼できない。ナウな感じではあるが、後から何を言い出すか判ったものではない。わが国の政治がブラウン運動をし続けるのは不思議なこととは考えられていない。現在の事柄とは独立した未来構文により考えが纏められないということは、我々に閉塞感を感じさせる。この国のあるべき姿が政治家の念頭にないということは、日本人の人生における根本的なつたなさに繋がるのであろう。403 文字
頭の切り替え 寺嶋真一さん 公務員 2001年04月20日 投稿
李登輝氏に対するビザの発給に関して、なぜ、これほどまでに日本は中国に気を使うのか、日本はなぜ自国の対台湾や対中国の定義づけを全て中国に委ねるのかを理解できない人が世界には大勢いる。だがしかし、日本人には、この態度は判りすぎるほど判る。要するに、これは中国人同士の争いで、日本人にとっては他所事なのである。日本政府の態度は「我、関せず」であること、伝統の如しである。個人主義ではなくて、内の者・他所の者の判断である。されど、現在の世界は、英米の世であるから、このような古来のメンタリティーでは世界に伍して行くことは不可能である。わが国の外交政策・国の安全にも支障をきたす。だから、即刻、外務省の頭を切り替えなくてはならない。311 文字
有権者の責任 寺嶋真一さん 公務員 2001年04月20日 投稿
武士の文化を否定して、軍人文化を否定して、今度は官僚文化を否定して、国民の手には一体何が残るのか。権力を握るのは国民の代表であり、腐敗しきった官僚を養うのも閣僚に指名された政治家達である。腐敗した官僚を追放できない閣僚はこの国にはいない。官僚は、ただ政治家からの頼まれ仕事をしているだけである。国政の全ては、内閣を構成する政治家の構想の下に動いている。それでいて国民に不満があれば、その政治家をすげ替えるのは、当然有権者の自由である。自由に責任が付きまとうことは、誰もが認めていることである。今度こそ、我々が手にした自由を行使する時である。270 文字
第二公用語のこと 寺嶋真一さん 公務員 2001年04月15日 投稿
わが国に、当面の問題解決を重視する政治家は山ほどいるが、わが国の未来に関してばら色の世界を描いてみせる政治家はほとんどいない。わが国の政治が到達点を見失って迷走運動を続ける原因がここにある。将来に関して、政治責任者の確たる説明がなくては有権者の不安は解消しない。有権者は、どれだけの辛抱を要求され、その代償として、どれだけの希望が実現されるのかを理解できないでいる。未来に関する事柄を、現在と同程度に細かく、しかも正確に規定して示す為には、それ相当の文章構文が必要となる。つまり、英語のような現在・過去・未来に関する事柄を独立して陳述するための「時制」が必要である。日本語に、時制のないことは、我が国民の知的水準に大きな影響を及ぼしているといえる。英語をわが国の第二公用語として認めるべきである。348 文字
近視眼的な政治 寺嶋真一さん 公務員 2001年04月15日 投稿
英米人は、未来構文を持つが、日本人は持たない。従って、英米人にとって、未来は明らかな事柄に属するのに対して、日本人の未来は、不明なことに属する。この結果、日本人は、近視眼的な政治しか行なわないことになる。日本では「今ある姿」を基準にとって「あるべき姿」を批判する人が現われる。これを不思議な論述であると思われないのは、全てをこの世の次元で考えている為である。「あるべき姿」が「今ある姿」に即刻ならないのは、個人の主張する「あるべき姿」がまがい物である為ではない。英米人の「あるべき姿」は、常に未来にかけた努力目標であって、決して「今ある姿」にはならない。次元の違う事柄を不思議に思う英米人はいない。人間の欲望には限りがなく、目標が消えてなくなることなど考えられないからである。だから、日本人が天下一の人になるのとは、目標点が違うわけである。370 文字
有権者の味方 寺嶋真一さん 公務員 2001年04月07日 投稿
政治家は有権者の声に反応する。相手の主張を理解しようと務めている。ジャーナリズムは有権者の声に反応しない。相手の主張を理解しようとしない。それにもかかわらず、報道関係者は、自分自身を国民の見方であると信じている。これが選良 (代議士)と売文の徒との違いである。どちらが有権者の本当の味方か、よくよく考えてみる必要がある。159 文字
政治音痴の総裁選挙 寺嶋真一さん 公務員 2001年03月31日 投稿
来る自民党の総裁選挙においても、立候補者になれる人物達は、国の行く先に関する自己のビジョンを示していない。党員も同様にビジョンの選択肢を党に求めない。党員も、ジャーナリズムも、国民も、取りざたするのは個人名を付した肉体の選出ばかりである。政治が良くないことは、誰にでもわかっているようであるが、どのように政策が誤まっているかを鋭く指摘し、それを選択肢の中心に据える自己主張は存在しない。だから、政治的誤りを正す為に、国民は森政権の存続に終止符を打とうとしているのではない。おそらく、自分自身の気分を一新したいがために、現政権に対する不信任の表示をしているに違いない。我が国民の徹底した政治音痴は、この調子では100年かけても直らないであろう。321 文字
憂国 (1) 寺嶋真一さん 公務員 2001年03月27日 投稿
政党は、党員の意思と大きな声で言うが、意思というより恣意である。だから、利己主義と個人主義の区別がつかないのである。人選びの時は、毎回のように選挙法の改正が大きく伝えられるが、ビジョンに関する選択肢のなさに心配の声は見られない。私は「政治は、だれがやっても同じ事」と言う保守地盤で育った。候補者は「何も言わないほうが、票が集まりやすいんだ」と言っていた。この人が当選した暁には、有権者は彼の恣意に振り回されることを覚悟しなければならない。ビジョンで結集する人たちの政党は、始めから解党状態にある。あるのは、地縁・血縁をたよりにする昔ながらの一族郎党である。無党派は、没個性的ではあるものの、人選びに際して派閥的な動きをしないだけ、まだましなのである。古き悪しき日の遺産は、まだまだ大きなものがある。349 文字