5


<>

この国の不幸    寺嶋真一さん 公務員 20010923 投稿 

 

後方支援などしたところで今度は「遠くてよく旗が見えなかった」とか「結局安全なところにいただけだ」等と言われるだけです。どうして、それほど他人の考えだけが大切なのですか。他人に何と言われようと、自分が果たさなければならないと心に決めたことは何も無いのですか。我々は、ロバ売りの親子を続けてはならないでしょう。インド人は、哲学的である。「日本人は、ありがとうを言い過ぎる」と批判する。更に続けて「人は、成すべきことを成すばかりだ」と付け加える。親切運動とありがたや節で育てられた私には、ショックである。日本がアメリカの後方支援をすれば、当然、我々はテロの標的にされる。敵の補給路を断つことは、戦略的に意味のあることだからである。憲法を変えてでも、アメリカの主旨に協賛するか、それとも、英米とは一線を画した奇妙な国として留まるかの問題である。我々の父兄は、大義の為に自己の命を犠牲にした。今の若者にとっての最大の不幸は、自己の犠牲を伴うほどの大義を何処にも見出すことができないでいることである。444 文字 

 

 

ビンラディン氏の来日  寺嶋真一さん 公務員 20010922 投稿 

 

ビンラディン氏の身柄を日本で預かって裁判を受けさせる。現在戦闘突入を避けて必死に外交が展開されているが、おそらく身柄引き渡し上最大の問題はアメリカに引き渡すかどうかだろう。イスラム側はアメリカでは公正な裁判を受けられないと信じていて、それが難しいのであれば、アメリカからもある程度信用され、アジアの一員としての連帯感のある日本であれば、妥協が成立する。小泉首相は、今すぐビンラディン氏の来日を要請すべきである。そうすれば、戦闘突入は避けられる。222 文字  

 

 

複数の報復と後方支援  寺嶋真一さん 公務員 20010922 投稿 

 

小泉首相が919日自衛隊の後方支援の方針を打ち出したが、これに対して自由党は「戦争ではないテロ活動に対する米国単独の報復への後方支援は出来ない」とケチをつける立場をとるとのことである。我々の知りたいことは、小沢氏は複数の報復と後方支援を望んでいるのかどうかということである。テロは米国だけの問題ではない。我が国の企業と人命も失われた直接被害者であり、経済的にも大被害を受けた。自由主義と民主主義を存立基盤とする我が国にとって重大な問題である。222 文字  

 

 

平和国家の出番              寺嶋真一さん 公務員 20010915 投稿 

 

海の向うでは英米型資本主義と回教型原理主義との"文化摩擦が起こっているようだが、それを全世界共通の悲劇として理解しなければならない。だから、きちんと国連の場で調査・審議を行ない、懲罰するにしても国連軍の名の下に公的な制裁を加える必要がある。平和国家のわが国が、国連の常任理事国にふさわしい活躍ができるまたとない機会である。日本人が、この世の「あるべき姿」を臆せず示すことにより、平和に対する指導性を地球規模で発揮すべき時である。ここでは、「かすり傷一つ受けても損は損」「良いと悪いは、国によって違う」「我、関せず」というような台詞は、余り役に立たない。276 文字

 

 

医療教育の改革             寺嶋真一さん 公務員 20010909 投稿 

 

地方の国立大学は、将来行なわれるであろう文部科学省の格付けを恐れている。特に、医学部が、大学院を有しない学部教育だけのための医学部に位置付けされることを憂えている。もちろん、その逆の大学も中央には存在するはずである。身分格式のお墨付きを得て、身の安泰を保証されるからである。それにつけても、悲しむべきは、わが国と米国との医学教育における格差の大きいことである。米国においては、医師の養成はメディカル・スクール (medical school) と言う名の大学院135 校に限られている。それは、医師が高級な職業人と考えられていて、その職業人の養成は大学院の使命となっている。わが国においては、人命尊重が徹底していないためか、これが未だに大学生並である。現在は、アメリカから医学生交流を持ち掛けられていて、日本の大学は下駄と草履の関係を嘆いている状態である。教育改革も実質的な方向に狙いを定めて積極的に進めてもらいたい。大学の格付けに関しても、アメリカでは民間が行なうが、我国では政府主導でおこなう。役人が行政指導で国立大学を操る奇妙な介入が、学問・教育を初等教育に見られる横並びで個性のないものにしている。499 文字

 

 

危機に陥る民族性          寺嶋真一さん 公務員 20010909 投稿 

 

個人主義の創始者デカルト (1596-1650) の時代から「我思う、故に我あり」と言われているが、わが国においては、今日と謂えども意見の持てない有権者と、哲学のない役人で成立つ政治が行なわれている。没個人的様相は、党内民主主義にたとえられている。責任者としての個人を選出する前に、十分な議論を行なうことが出来ないからである。だから、責任ある個人は有権者の前に現れることなく、たとえ疑義を生じても直接対話ができない。暖簾に腕押しである。こうした、個人判断の効かない議論のない社会体制が、自ら望むことなくして危機に陥る民族性の要因を成しているといえる。273 文字

 

 

真面目人間        寺嶋真一さん 公務員 20010904 投稿 

 

「あるべき姿」を合意により実現しようとする法治国家は神の国、人治国家は恣意の国、そして情治国家は義理・人情の国。英米人にとっては、未だに「不可解な日本」であるが、日本人自身は、これを意識したことはない。英米人は、相手の考える個人的な「あるべき姿」の内容を知りたがっているのである。つまり、英米人は、常に相手の洞察力に照準を合わせて話に耳を傾けている真面目人間なのである。185 文字

 

 

掛け声倒れ       寺嶋真一さん 公務員 20010904 投稿 

 

「日本国政府は、スローガンばかりだ」と外国人が言う。行政府が、ご丁寧に有権者から標語募集することが多い。これは、七夕の短冊に小言・片言をしたためるのにも似て、日本人の伝統的な得意芸の一つである。未来構文の内容は、常に目に見えない世界のことである。「あるべき姿」を考えることのない日本人の夢は、ユニーバーサルでもなければグローバルでもない。常に現実的であり、自分の目の届く範囲であり、箱庭的・盆栽的である。細かに手を入れること自動車整備の方に近い。世界一平和を愛する国民だと自称しているが、世界平和達成の段取りについては、ついぞ聞いたことがない。これを、我々の願いが世界に聞き届けられていないと説明する。掛け声倒れである。日本人には、論文作りは難しい。論文には、理屈を連ねる必要が生じるからである。日本人には、文章間を理屈で合わせることが難しい。連歌調ならば可能である。日本人の想いは、あくまでも風流の領域に留まる傾向を示す。412 文字

 

小泉純一郎氏のこと 行方不明

小泉純一郎氏のこと 寺嶋真一さん 2001年8月29日 投稿

 

小泉首相を見ると、時々質問や論点をはぐらかす傾向が見られます。彼の傾向は、論理に弱い日本人の常であり、この方面については、理屈を追いかける方も得意ではない。
妻から浮気を追及されて、話を明るくはぐらかす不貞夫のようで、浮気を認める夫や必死に隠す旦那よりも始末が悪い。
日本人は、やはり自民党が好きなんですね。いくら裏切られても、信じていたい。裏切られたかどうかも、判断できない。まるで不貞夫と真面目な妻の関係です。我が国民は、英米流の人間教育を受けていないのです。
嘘をつかれているのを知っていても、その嘘を信じるしかない現実肯定主義にも関係がある。「あるべき姿」というものは、日本人には理解できない。
そして森首相という極度の不貞夫(マスコミの報道のせいですが)、を抱えた妻が改心した小泉首相という夫を再び得て、お祭り騒ぎになっている。東条首相のときと同じように、その熱狂に酔いしれているのが、今の日本です。
そうではない人もたくさんいます。小沢党首の支持者の方もそうだと思います。
でもまだ大半の日本人が自民好きです。一種のブランド指向でしょう。政治ではなくて、趣味の問題です。筋のない政治など、アメリカにもなく日本にもない。かくして、米国は政治の国となり、わが国はまつりごと (政・祭事) の国となっている。
アメリカ人の友人は、一度裏切ったり、信用を失ったらもうお終い。趣味には論拠がない (There is no accounting for tastes.) く、政治家には説明責任がない。だから、彼等は日本人の自民好きを理解できない。
野党がいくら頑張っても、日本人の「自民党・巨人軍好き」が変わらない限り、政権交代は不可能でしょう。むしろ自由党は自民党の自壊を待つしかありません。これは、雄鶏が卵を産むのを待つようなモノでしょうね。757 文字

 

 

鳩山代表の戦没者追悼  寺嶋真一さん 公務員 20010826 投稿 

 

民主党の鳩山由紀夫代表は、英国のフィナンシャル・タイムズに「戦没者追悼の新しい場を」を投稿したので、その全文を読んでみた。そして、私の意見をここに述べる。日本人は、傲慢というよりも無知である。戦犯も勝者の裁きによるものであって、日本人自身は戦争に関する責任者を一人も出さなかった。英米人の知りたいことは、いかなる理由により日本人は罪の観念を持たないかである。日本人が、自己の哲学を持つようになれば、戦没者の慰霊を追悼する儀式の方は、その内容に従って全て定まる。外国人に任せても滞りなく済ませることができる。哲学が展開できなければ、過去のことは水に流すより仕方がない。283 文字

 

 

 最近の作品へ