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この国の身分 寺嶋真一さん
公務員 2001年12月15日 投稿
企業には「正社員、アルバイト、派遣社員」といった厳然たる序列順位がある。日本語は韓国・朝鮮語と同じく、階称のある言語ですから、これがそのまま社会における身分階層に成ってしまう。人間を生まれたときから格付けし階層化しようとする習慣は今なお脈々と続けられている。日本人は、言葉にこうした意味合いの含蓄を持たせることが好きである。福沢諭吉は「天は、人の上に人を作らず」と説いたが、このような説教では陋習は消えてなくならない。この国では、今なお「点は、人の上に人を作る」。232 文字
色あせた政治 寺嶋真一さん
公務員 2001年12月15日 投稿
小泉首相に閣外協力をしたがる野党・民主党と、真の野党議員たるべき自民党内の抵抗勢力と、「あるべき姿」の批判を加えられないわが国のジャーナリズムが日本の政治を色あせたものにしている。90文字
未来の姿と譲り合い 寺嶋真一さん
公務員 2001年12月15日 投稿
福祉先進国では、タバコ1箱の値段が700円程度である。日本はタバコ税を増税しない代わりに、年金支給額の引き下げや医療費の負担増を行うという福祉後進国のレッテルを貼られて、諸外国から嘲笑されている。小泉首相は、自分自身の抱くこの国の未来の姿をはっきりと描いて、有権者の前に見せたら良い。未来の夢を深く理解することなくして、有権者は力を出す事は出来ない。改革の痛みに耐えることもできない。例え、有権者全員が同じ理想の世界を持つようなことがあったとしても、今この地上で行なわれる「政治」に「絶対に正しい判断」というのはないと思います。複数の正解もありえます。だから、目指す目的が同じならば、方策の方はお互いに譲り合って進歩を早める必要があります。有権者が「短期的な視野」に立つのか「長期的な視野」によるのかによっても「政治手法」が異なります。こうしたことを含めて万人が知りつつも忘れがちな事象かもしれません。401 文字
低学歴の苦しみ 寺嶋真一 2001/12/13
入試地獄により学歴社会といわれながら、中味は井の中の蛙達の為の低学歴社会で構成されている。医師などの高度な知識をもった職業人を大学院で育てる教育制度さえも出来ていない。この制度は、戦後の学制改革のときアメリカの教育使節団から勧められたが、わが国は受け入れなかったといわれている。失われた半世紀か。
148 文字
不透明な灰色の感じ 寺嶋真一さん
公務員 2001年12月12日 投稿
さしずめアメリカ人は「真珠湾のことを覚えていろ」と言いたいのでしょうが、私は、 アフガニスタンへの空爆を、テレビで見ながら,そこに日本に落とされた原爆を考えた。ほんの一握りの人間達の行動によって、わけも分からず殺されていく人々。それを正義と言う。テロリスト達の言うジハードと、どう違うのか?英米人の「あるべき姿」によるアツカマシサと怖さを感じる私は、おかしいのか・・・。 つい10年前、イエロー・ジャップとバッシングされ、クリントン以後は、ジャパン・パッシングとなり、今やショウ・ザ・フラッグと言われる。日本人には、受身の解釈しかできないところが情けない。お次は、なんと言われるのか、経済力の無い日本は、もう言うべき言葉も、無くなるのか・・・。ロバ売りの親子みたいで悲しい。 地球には、欧米や中国、韓国の他にも、いろいろな人がいるという事に気づかされた。多くの日本人が、欧米人と違う目線で彼等と交わり手助けをしている。お金の援助だけでなく、井戸を掘り、地雷を除去する。遠い国の最貧の人々が、手を汚す事のない日本人が好きと言う。日本人の持つ、ある種の無分別を、彼等は、受け入れているのか・・・。常々日本外交を歯がゆく思ってきましたが、日本の土壌が培った不透明な灰色の文化は、誇っていいと思いました。このような行動様式は、限りない透明性を求めて止まない英米のそれと文化衝突になるのか。これで、日本人の奥ゆかしさも終わりになるのか。 鴨ネギかもしれないけれど、日本タタキを政治に利用している国以外、日本を嫌いと言う国は、あまりないのでは・・・。665 文字
温故知新もままならず 寺嶋真一 2001/12/08
日本のマスコミは、普段は「オピニオンリーダー」とか「公正中立」などとキレイ事を並べていながら、「真実の報道」「権力のチェック機能」という使命を忘れている。基準の持てない人間にチェックなど出来るはずも無く、出来ては大変困ることになる。戦前の昭和史で、マスコミが軍部・行政官僚の手先となって国民を戦争に煽動したのは有名な話。時流に乗るのが有能な証拠と考えられているわが国では、時代に流されない方がよほどおかしい。三百五十万人もの国民が死んだのに、まだ目が覚めないのは、「あるべき姿」を考えていないからである。過去の事実は膨大であるので、哲学的思索をするのでなくては、それらを水に流すよりほかない。もったいないことではあるが、これでは温故知新もままならない。
326 文字
大きな夢 寺嶋真一 2001/12/07
この地上が天国でないことは、誰にも分っていることである。小泉首相は、サラの紙にこの国の未来に関する思い切り大きな夢を描くのが良い。そして、その絵を有権者の前に示すと良い。我々には、理想的な状態に立ち到る為の綿密な道順を示す事が求められている。もし、未来への展望が持てなければ、迫り来る危機の中で、時代の閉塞感を催すことになる。
163 文字
詰め込み競争 寺嶋真一 2001/12/05
詰め込み主義以外の教育が考えられない状況下にあっては、教育の振興策も必然的に詰め込み競争となる。
語り部となるならば、修業としての丸暗記もやむを得ない。だが、学問とは「あるべき姿」を自分自身で追及するものである。この道を突き詰めて行けば、哲学博士 (Ph. D.) への道である。それができなければ、丸暗記の詰め込み主義の教育もやむを得ないことになる。このような状況の中でわが国の大学の教養部は崩壊した。大学で「あるべき姿」の考えられない国にも大学院はある。こうした国の大学院で出される博士号の価値は、それだけ薄いと言わざるを得ない。「知識伝授型の授業が良くない」と言う人はこの国にも多いが、それ以外にどのような学習方法を考えているのであろうか。
319 文字
本当の嘘 寺嶋真一 2001/12/05
私は、アメリカの週刊誌 「TIME」 を30年以上も定期購読しているが、いろいろと為になることがあった。日本の週刊誌では、活字が踊って見える。執筆者のあるべき姿が出てこない。新しいのではなく、目新しい (見た目には新しく見える) のである。幾ら読んでも利口にならないのは、あるべき姿を持たない執筆者の内容だからである。自分には、判断の基準となる考えが無く、「どっちもどっち」「喧嘩両成敗」の発言しかない。自己のあるべき姿を除外しては、正しさも無く間違いもない。執筆者自身は、批判の対象にはならない。だから、自己責任のとれない執筆内容となる。それでも、執筆者は生き延びて安心して書く。あるべき姿は、現実とは次元を異にした内容である。あるべき姿を現実形 (日本語) で述べたとすれば、それは本当の嘘になる。このような環境では、人間は真面目にはなれない。ここが、日本語の問題点なのである。
385 文字
誰のお蔭か 寺嶋真一さん
公務員 2001年12月4日 投稿
この国の一国平和主義というものが、この国の人の自己慶賀の素材のためにあるならば、我々が手を汚さなかったということで、他国から感謝される事も無ければ、尊敬される事もない。湾岸戦争の折、日本は金を出したが手は汚さなかった。わが国の一国平和主義というものが、一体誰のお蔭で成立っているか考えたことがあるであろうか。私は子供の頃「肩を並べて兄さんと、今日も学校に行けるのは、兵隊さんのお蔭です、、、、」と歌った。今では「、、、、アメリカさんのお蔭です、、、、、、」ということに成ろうか。239 文字
「日本人に英語は必要である」寺嶋真一随筆集 ISBN4-7974-1495-2
「我らの未来」寺嶋真一随筆集II ISBN4-7974-1628-9
新風舎 電話03-5775-5040 URL http://pub.co.jp