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序列信仰 寺嶋真一 2002/08/25
日本人は「礼儀が大切だ」と言い合っている。世界一礼儀正しい国民であると自認している。だが、日本人の礼儀は、序列作法である。だから、「序列なきところに礼儀なし」であることも、知っていなければならない。ユニバーサルでも、グローバルでもない。ただ、奇妙な礼儀正しさである。
靖国神社、靖国神社と言いますが、多くの日本国民の中にも、自分たちの戦没者の慰霊の中心的施設は靖国神社であるという方が多くいることも事実です。靖国神社は、序列信仰の雰囲気を提供する条件を備えているにしても、こうした序列信仰の対象は、徐々にではあるが着実に解消させるのでなければ、何時までたっても「日本人は、信頼できない」との外国人の判断を受け入れると言っているようなものである。こうした態度は、平和の指導者としての致命傷である。内閣総理大臣が靖国神社に参拝するというのも、これは決して、第二次世界大戦を美化したり正当化したりするものではない。二度と戦争を起こしてはならないとすれば、どのような再発防止策をとるおつもりか。毎回毎回、靖国神社に参拝されることを非難する哲学が内閣総理大臣には理解できていません。今は英米の世の中である。我々の方から彼等の方に近づいていくしかない。彼等の方からは、近づいてこないから。 537 文字
国の統治形態について 寺嶋真一 2002/08/24
恣意の人々は、人治国家を作る。現在は、民主主義の世であるから、あからさまに恣意の政治とは言わない。だが、後進性の象徴であることには変わりがない。こうした社会では信頼が希薄で、万事血縁が頼りである。広汎な団結力が得られず、国力が伸びない。
感性の人々は、情治国家を作る。恣意は、序列思考により抑制されている。序列協力により、血縁の枠を越えて広汎な団結を可能にしている。序列奉公による効果 (太閤記) も副作用 (忠臣蔵) もある。人々は、無哲学・能天気で、感情が、あたかも法治国家における哲学のように大切に取り扱われている。序列観念が強く理性がない。だから、国際的な信頼は得られない。
理性の人々は、法治国家を作る。哲学により団結する。血縁も感情も、彼等の哲学の中には含まれていない。彼等は、歌詠みにもなれない。個人の哲学を有権者が選択する。理性判断を使って国力を着実に伸ばしている。内外からの信頼が厚く、人治国家からも情治国家からも多額の投資を得ている。421 文字
三流政治 寺嶋真一 2002/08/20
国会議員が問題を起こすたびに有権者は他人事のように批判するが、そういったことが起こる土壌を作っている責任は我々有権者にある。三流の有権者が三流の議員を選出し、三流の議員が三流の政治を行なっているのである。
日本人は、「あるべき姿」の勉強に頭を使わない。無哲学・能天気から来る天下太平の気分は、フウテンの寅次郎のものでしかない。
発言する時には、常に「あるべき姿」と「今ある姿」を対比させて自己の意見を述べる必要がある。日本人の得意とする実況放送用の内容ばかりでは、締まりの無い人間・捉えどころの無い人間となって信頼されない。実況は英米人の言う真理ではない。真理は哲学の中にある。
政治は、哲学者により行なわれなくてはならない。わが国に多く見られる歌人は適任ではない。「まことの心を歌いおきたく候」とだけ歌うのであれば、掴み所の無い人間となる。戦場にあって、無為無策の観がある。感情だけでは、この世はどうにもならない。「ひよわな花」と変わりない。だから、「あるべき姿」の表明が是非必要となる。我々の取るべき道を御示し頂きたい。 459 文字
気分・雰囲気の問題 寺嶋真一 2002/08/19
日本ハムは、大社会長が引責辞任へ、社長は留任の方向である。日本における指導者たちは、もともと指導性は発揮していなかったのであるから、指導者の首を挿げ替えても、大した効果は上がらない。気分一新・人心一新といったところか。根本は、やはり気分・雰囲気の問題として捉えられていることになる。これは、この国の伝統的な行事でもある。 160 文字
不正の摘発 寺嶋真一 2002/08/17
所詮、国会議員は国民にとっては、道具でしかなく、いわば消耗品である。国民に役立てばそれで良いのである。だから、田中真紀子氏がどんなに次元が低く、非人格者であっても、外務官僚のでたらめを壊し、国民に不正を示してくれるなら、それは検察官としての道徳的な能力を示したものであり、公務員として、国民に役立つといわざるをえない。彼女にあらゆる省の検察捜査をやらせれば、官僚どものワルサがぼろぼろ暴かれて透明な行政が実現するかもしれない。 213 文字
混乱 寺嶋真一 2002/08/10
「あるべき姿」が存在しなければ、物事に白黒は付けられない。白黒の付けられない事柄は、他人事であり「我、関せず」である。それは、趣味の問題、即ち個人的な問題と考えられる。英米人も「趣味に論拠なし」と言う。
わが国のように「あるべき姿」が存在しなければ、全ては個人的なことなり、それにも関わらず、他人からの干渉を受けることになる。各所に於いて、公私混同は避けられない。これも、頭の中の混乱に由来する。 197 文字
風化 寺嶋真一 2002/08/08
日本人は、熱しやすく冷めやすい。不祥事を起こした政治家が有権者の激憤を誘い、彼の属していた派閥はそのほとぼりの冷めるのを待つ。そして事実の風化を待つ。風化を待ち望んでいる一方では、戦争の被害者が事実の風化を愁ている。教訓は風化しにくいが、事実は風化が早い。 128 文字
政党改革 寺嶋真一 2002/08/02
■人格の尊厳、基本的人権を尊重し、自由な社会を守る自由主義の政党である為には、論理的な言葉を使う必要がある。さもなければ、恣意の自由が横行する。■国民とともに未来に向けてつねに改革を進める為には未来構文が必要である。開かれた民主的な政党である為には、個人の意思の明確化が必要である。■世界平和と人類の繁栄、地球環境保全に積極的に貢献する平和を守る政党である為には、従来の「我、関せず」の風習を改める必要がある。個人の哲学が必要である。 217 文字
この国の一新 寺嶋真一 2002/07/26
日本一新の指針は、[1]日本人の心と誇りを取り戻す。そのためには、自分自らに実行力をつける必要がある。英米流の教育を通して理性判断を獲得して、国際社会において指導的立場を目指す。 [2]自己中心的社会から、規律ある自由に基づく開かれた社会に改める。そのためには、自分勝手な解釈を公言する習慣を改める。意思と恣意を峻別する。[3]経済の活力を回復し、だれもが生きがいをもって暮らせる社会をつくる。そのためには、「義理 (序列) が廃ればこの世は闇だ」と言われる序列社会を廃止し、個性を重視した機会均等の社会にする。序列益と順番待ちの生活に別れを告げる。(外務官僚よ、悪く思うな。)[4]地球の平和と環境に自ら進んで貢献する。そのためには、伝統的な「我、関せず」の態度を改める。哲学を重視し、「あるべき姿」に関する自己の見解を表明する習慣を養う。 [5]21世紀を担う新しい憲法をつくる。他人任せ、「よきに計らえ」など、自己の意思を表さない無責任な態度を改める。自分の事は自分で行なうという基本的な大人の態度を内外に宣言する。 かくして、日本人12歳説を返上する。の5つです。 481 文字
英語の推進・国力の推進 寺嶋真一さん 公務員 2002年7月23日 投稿
自分達の社会を学歴社会と呼び合う中で、日本人の英語力は米国大学留学のための英語能力試験(TOEFL)の平均点で156カ国・地域中144位、アジア23カ国・地域で22位と極めて低い。政府の熱のこもったの指導により、全ての国家試験を英語で行なうといったような、英語学習者に関する報償 (incentive) がなくては、この日本語漬けの社会の中で、英語学習の努力も途絶えがちである。いまの段階では、英語学習は個人趣味の域を脱していない。是非とも国際化の必要なわが国としては、この際断固とした方針をとるべきである。これこそ親・子・孫の三代をかけても成し遂げる我が民族の世紀の偉業でなくてはならない。最近は、日本語の階称による序列表現、序列観念、護送船団方式など大和民族の悪い面が表に出て来た。さらに、日本人は、勝手な想像・勝手な解釈を交えて現実構文を書く。後で「だって、本当にそう思ったのだから、仕方がないではないか」と言い訳する。あるのは実況放送のみである。ここでは、ねつ造でさえ、真実以外の何物でもない。「あるべき姿」という別次元の考え方の存在しない世界というものは、こうしたものである。基準のない世界は、屁理屈がまともに見える世界でもある。ここでは、あたかも屁理屈は存在しないかに見える。日本人は、理屈の成立たない世界を泳いで回る人たちである。「理屈なら子供にでもわかる」とよく言われるが、子供どころか、大人にも成立たないのが、日本人の理屈である。 日本が科学立国を目指すには、知的な様々な分野に対応できる論理的思考のできる「しなやかな頭脳」を持ったエリートが多数必要である。世界トップレベルの研究者の養成は、著しい科学の進歩で、研究の領域が複数にまたがり、予想しない方向に発展する可能性もある。国際的エリートとなる研究者は、英語による思考に習熟し、自らの専門に閉じこもることなく、周辺や異なる専門にも知的関心を示し、幅広い視野に立って専門をも変える柔軟性が必要である。 さらに、トップレベルを目指すには研究能力だけでなく、当然のこととして優れた人格を持つ社会の指導者であることを求める。 それには、複数の専門分野の専攻や教員による指導、専門外の単位取得など大学教養部の基礎を充実し、さらに大学院教育の改革を進める一方、英米からの教員を増やすなど、大学院組織の人材の多様性を図ることや学生の経済的支援を充実させることが重要である。 1010 文字